今日は夏の土用の丑の日。
夏の、と断り書きを入れたのは、土用は夏しかないと思ってる人がいると聞いたから。
春も秋も冬も、土用はある。
その期間に振られている毎日の十二支が丑だったら丑の日。
だから、巡り合わせで丑の日が2回来ることもあり、それが二の丑。
今年の夏はない。
で、丑は牛なので、本来は牛肉食べりゃいい。
しかし江戸期は牛肉が出回ってなかった。
平賀源内が、夏場売れなくて困ったうなぎ屋のためにうなぎを食べようと広めたのは有名な話だけど、今となってはうなぎ絶滅危惧種だよ。
卵からの完全養殖には一応成功してるけど、量産化はできなくて、稚魚は天然資源だよ、確か。
夏土用のうなぎに限らず、特定の日に同じ物を一斉に食べるの、どうなんだろう。
スーパーのチラシはどこも似た売出しになって、店頭にはこれでもかと並んで、きっとバックヤードに在庫も備えてて、それが日本中で同じことになってて。
欠品しないように多めに仕入れるよね、てことは売れずに廃棄される分も、現場はせっせと作ってる。
イベント性や季節性が高い食べ物なら、その日が過ぎたらもう用はない。
あっという間に撤収されて、陳列棚が日常に戻る。
今年のお正月がそうだった。
大晦日には冷蔵ケース一面に、お節料理の品々が並んでいたのに、1月2日に同じスーパー行ったら、かけらも見当たらなかったのだ。
ここらを埋め尽くしていたかまぼこや伊達巻やきんとんや黒豆やらはどこへ?
全部売れました、なら喜ばしいけど、本当に?
そもそもがハレの日のごちそう価格である"絶滅危惧種"うなぎは、ますます値段が上がってる。
丑の日のために捌かれてお店に並んで、売れ残ったら?
もういっそ、注文された分だけにすればいいと思う。
そして原点に帰ろう。
丑は牛なんだから、牛肉をいただきましょう。
牛肉だって値上がってるけど、うなぎより遥かに手が届く。
もちろん牛の品種とか部位とか、どこでどのように食べるかとかにもよるが。
ついでに言うと、うなぎの旬は夏じゃない。
養殖物は、業者さんの努力により今の需要時期に旬が来るように育てているから、美味しいわけだが、
天然物なら秋から冬が旬だ。
貧乏人の遠吠えじゃないぞ。
・・・いや、ちょびっとあるか。