綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

この少女マンガが怖かった! 3

思いっきりホラー。

 

●『赤い爪あと』菊川近子

 

私は、小学生の頃はなかよし→中学生の頃にりぼんを主戦場(?)としていたので、それ以外の掲載作品は、友人同士で雑誌や単行本を貸し借りして読んでいた。

この作品は、友人から借りた単行本で知り、全2巻なのにとても長く感じたし、2巻の表紙がおっかなくって手元に置きたくなく、読み終えてすぐに返した作品である。

 

絵柄は正統派少女マンガだ。

登場人物は可愛きれいなのに、

隣り合うホラーシーンのおどろおどろしさよ。

内容は吸血鬼モノで、

少女マンガに吸血鬼の設定はよく出てくるが、

その大方を占める耽美的なものではなく、

吸血鬼となってしまう原因が宇宙から降ってきたアメーバー。

それも寝ている間や失神している間に、

口からズルズルと体内へ入り込む。

ガスマスクでもしない限り防ぎようがないじゃん。

 

今回自分の記憶を照合するため、

作品の内容を確認し直したのだが、

かなりのページ数を費やして吸血鬼にひたすら追いかけられる主人公のシーンの記憶がまるでなくて、

「これもし本当にあったら絶対イヤだ」

というシーンが、

たった1コマなのに強烈に焼き付いていた。

というか、あのシーンって本当にこの作品だったっけ?ということの確認だったので、

記憶が合っててホっとしたのだけどそのシーンは、

学校の屋上の給水タンクに沈む、血を吸われて絶命した女生徒。

発覚のきっかけは、水道の蛇口から出てくる髪の毛と、水の変なにおい。

体育の授業の後で汗をかき、水道で生徒たちはみんなバシャバシャゴクゴクやってたのだ(確か。そこまで照合しきれてないので違ったらすみません)。

事実が分かると生徒たちは騒然。まあそうだろう。

で、その騒ぎの中でモブ男子が言い放つ。

「ゲーッ、オレ飲んじゃったよ!」

そうだよねえ。悼む前にまず気持ち悪いよねえ。そんな水飲んじゃって、自分の体が心配だよねえ。

絶命女生徒の変わり果てた描写もさることながら、

モブ男子の冷たいようでリアルな一言に妙な共感を覚え、

セットで忘れられないシーンとなった。

 

そう、よくある吸血鬼の設定は、

血を吸われた方も吸血鬼になるのだけど、

このアメーバー由来吸血鬼ではそうならない。

血を吸われたらおしまい。

しかもアメーバーは宿主を変えるので、

アメーバーをどうにかしないことには解決しない。

 

では解決したのか。

これがどうしようもないほどのバッドエンドを迎える。

こんな、投げるようにこんな終わり方ってあるの?

と、終わってもなお恐怖を放つ。

どうしよう。

私寝てる時、どうしても口がポッカリ開いちゃうんだよな・・・。

ガスマスク?