綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

春の恒例行事

たけのこ掘りや潮干狩りは、

楽しくておいしい実用的な春の行事だ。

が、私の行事は地味で、実用性にはほど遠い。

しかし毎年やらないと落ち着かない。それは、

 

四つ葉のクローバー探し

 

慣れている人は見付けるのが早いらしいのだが、

私は何十年もやってるのに未だ手こずる。

けど、それが楽しい。

ずっと探して、やっと見付けたその1本が、

とても嬉しいじゃないか。

この楽しさと嬉しさって、どんなに回数重ねても、

不思議と薄らぐことがない。

もし出来高制の仕事だったら、途端にイヤになるけどね。

 

例えばどこかの緑地のある公園で知り合い数人とおしゃべりしてて、

その最中に四つ葉のクローバーを見付けると、

それまでのおしゃべりが何となくそぞろになって、

めいめい地面に顔を向けだしたりする。

そのうちに四つ葉のクローバー探し大会になってたりして、おもしろい。

身近で手に入りやすいファンタジーなんだろね。

経験上、それ始めるのは女性が圧倒的に多い。

形がかわいいもんね。

で、見付けたはいいけど、

そのまま茎を持っているとすぐにしおれてしまう。

手の熱のせいだろうか。繁殖力は強いのに、意外と弱いところがあるのだ。

だからできるだけ早く、ティッシュでも手帳でも、何かの紙に挟んだ方がいい。

挟む時は葉っぱの形を整えて、平たくぺったんこになるようにしまっておく。

あとは帰ってから取り出して、平らな所でティッシュに挟んで重しをして置いておけば、

四つ葉のクローバーの押し葉ができる。

私はこの押し葉作りを広辞苑でやっていて、

出来上がった押し葉をどうするでもなくページの間に挟んで忘れてしまうので、

広辞苑を開くとあちらこちらから四つ葉の押し葉が飛び出す仕掛けになっている。

 

どうするでもないのに、なぜ四つ葉のクローバーを探すのか。

だって楽しいじゃないか。

どうするでもないのに、なぜ押し葉にするのか。

だって見付けてすぐに捨てるのは、摘んだクローバーがかわいそうだし、押し葉にすれば見付けた記録にもなるじゃないか。

たまに見返すと、いろいろあっておもしろいよ。

めっちゃデカいの、めっちゃ小っさいの、4枚の葉の大きさがきれいにそろってるの、五つ葉の、等々。

見付けた瞬間が一番幸せだから、

そこにある数の分、幸せをもらえたんだなあと。

 

クローバーの群生があると、

つい足を止めて四つ葉を探してしまう。

今年はまだ本腰を入れて探してないから未収穫。

あんまり暑くなる前に、雨の季節が来る前に、

1本見付けておきたいな。