綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

忘れられない授業

中学の、たぶん2年生の時の国語の授業。

今思えば、どうしたら生徒に楽しく学ばせられるかと熱心な先生だった。

だから教科書を離れることもあり、そちらの方が私はおもしろかった。

 

ある時、国語の先生が授業にラジカセとわら半紙プリントを持ってきた。

昔は、それぞれの教科の先生が、自作のわら半紙プリントを授業で配って教材としていたものだ。今はわら半紙自体がほとんど使われていないようだが。

だからプリントはいつものことだけど、ラジカセは何するんだ?

回ってきたプリントを見ると

『夏をあきらめて』 サザンオールスターズ

プリントには歌詞が書かれていたが、所々が単語あるいは行単位で抜けている。

「今から曲を流すので、空いてる所を聞き取って埋めてください。3回流します。」

ほう。

そして書き込みが終わったら、歌詞の意味とそこから想像される情景や感情を発表し、それらがどのように表現されているかを学習。

そんな授業だった。

 

1回だけではなく、何回か行われた。

選曲は先生の好みが存分に反映されたようだ。まあそうなるわな。

他、記憶にあるものを挙げると(やらなかったものも勘違いであるかも)、

いとしのエリー』 サザンオールスターズ

『さよなら』 オフコース

『卒業写真』荒井(松任谷)由実

やさしさに包まれたなら』 荒井(松任谷)由実

『遠い旅路』 松任谷由実

『おもいで酒』 小林幸子(「これ校長に怒られちゃうな」と笑ってたが、教頭はOK出したのだろうか)

『防人の歌』 さだまさし

『僕にまかせてください』 さだまさし

オマケで聞かせてくれた曲もあったかもしれない。

松任谷由実ルージュの伝言』とか。あれ、やったかな?オフコースも1曲だけだったっけ?

とにかく、授業なのにニューミュージックを聞けるのが楽しかった。

 

書き込みは最初1番の歌詞だけの穴埋めだったが、

徐々にフルコーラスになっていき、

最終的には白紙に全部聞き取り書きする、という事態になっていった。

そして、みんなだいぶ慣れただろうから、と

ある日流されたのは、

『蝉時雨』 グレープ(さだまさし

短いギターイントロの後 歌が始まった途端、

クラス中が「ええ〜〜〜!」とブーイング。

この曲、聞いて書くにはめちゃくちゃアップテンポなのだ。

間に合わせようとすると、今度は自分の書いた字が読めないという罠が。

それまでの曲はだいたいバラードだったのに。

先生もさすがに難しそうだと思ったのか、

3回のところを5回に増やして曲を流した。

そうでなくても さだまさし氏の歌は1フレーズに歌詞を詰め込むタイプなんだよね。

 

おかげで『蝉時雨』のメロディは記憶に残り、

夏が来ると本物の蝉時雨を浴びながら

口ずさんだりする。

サビの歌詞しか覚えてないから、

残りの歌詞はハミングだけど。