ある日、所用でJR木更津駅に降り立った。
改札を出て通路を進むと、何やらド派手な塊が。
ピアノである。駅ピアノというやつだ。
元々は地元の保育園で長年使われていたピアノが、アーティストの増田セバスチャン氏により、世界で一つだけのアートビアノとして生まれ変わった、とのことだが、
とにかく隅々までビッシリと色がのっている。
耳なし芳一に経文を書き込んだ和尚さんもビックリだ(芳一は目が見えないから)。
ただ置いてあるだけでなく、駅ピアノフェスティバルというイベントも開催している。
映像予選を勝ち抜いた演奏者が、部門別に当日演奏するのだという。
優勝者には、駅ピアノフェスティバルin千葉県という大会への出場資格が与えられる。
その大会、調べてみたらたまたまこのブログを書いてる本日開催だった。
場所はJR銚子駅。
木更津の他に、JR銚子駅、JR勝浦駅と北総鉄道 新鎌ヶ谷駅で同じ催しがあり、各会場の優勝者が集う大会とのこと。
が、各駅の距離感とか千葉県民じゃないと分からんよな。地名は聞いたことあるけど千葉県のどこ?てなるわ。
しかも県大会だけど参加4駅て。
あ、いや、ケチをつけてるんじゃないです。
なんかもったいないような。
ストリートピアノとか駅ピアノとか、最近は撤去の話を耳にする。
音がうるさい、
1人が長時間独占する、
ヘタクソで聞くに耐えない、
技術のひけらかしが不快 等々、
近隣住民から苦情が寄せられるのが理由らしい。
けど、それらは想定できそうなこと。
ヘタクソなのは、習いたての子どもかもしれない。
あるいはずっとピアノに憧れてて、大人になってから始めた人かもしれない。
1人が独占するのは、カラオケのマイクと同じ。
技術を持ってる人が弾くのは当たり前。ひけらかしたっていいじゃない。
前もって演奏できる時間帯を決めててもダメかなあ。
街や駅で楽器を演奏できるの、すてきだと思うんだけどな。
だから、駅ピアノフェスティバルのような催しは、
あちこちでやったらいいじゃん、と思う。
で、JR木更津駅の駅ピアノに戻ると、
フェスでも何でもない時に弾くには、少々難題ありかと。
こちらの駅、発車メロディが
『証城寺の狸囃子』
それほど大きな駅ではないが4番線まであるので、よほど発着時間をチェックしてないと、発車メロディが通路に筒抜けで弾いてる曲にもろかぶりする。
どんなに悲しげな曲や壮大なクラシックや粋なジャズを弾いていても、
底抜けに明るいシロフォンの「♪しょ、しょ、しょじょじ♪」が乱入して妙な雰囲気になってしまう。
腕前だけでなく、強靭なメンタルも試されそうな、
手強い駅ピアノである。
でも、プロでもセミプロでもないのに人前でピアノ弾ける人って
そもそもメンタル強いよね。