ビデオ通話が掛かってきたので、
参加するボタンを押したら、
ケータイのカメラで画面に映し出された己の顔に、
ものすごく衝撃を受けた。
なんじゃこのブサイク!
ダメだ どう取り繕っても素材が悪すぎる。
まあ、相手はお互いによく知ってる仲なので、
そのまま通話を続けたのだが、
切ってからかなり凹んだ。
ボコボコのベコベコである。
自分の顔なんて、生まれた時から付き合ってるが、
その割にはありのままを見ていないものだ。
普段身支度に使う鏡で自分を見る時は、
実物の3割増しで良く見えると聞いたことがある。
だから、街なかで不意に映った自分の姿とか、
今回のケータイのインカメラとかの身構えてない自分が、
他人から見た実際の自分なんだろう。
だからこそなお凹む。
綾小路きみまろ氏の漫談のお決まり文句
「よく生きてきましたねその顔で」
あれ、20年前は他人事だと笑ってたけど、
今聞いたら刺さり過ぎて笑えん。
以前、蒸気機関車に乗った時、
乗る前はワクワクしてたけど、
いざ乗ったら「そうか、客車から先頭の機関車が見えるわけではないんだ」と気付いて、
楽しさが半減したことがある。
自分の顔って、状況はそれと同じで、
「見えなくてよかったね」の方だ。
もっとも機関車の場合、乗り鉄なら客車の振動とか景色の流れ方とか煙のにおいとか汽笛の音と響きとかを際限なく味わって楽しむのだろうけど、
自分の顔では何を楽しめと?
「お化粧してもその程度」
痛い、痛いです きみまろさん。
顔がすべてじゃないというけど、
整形したい人の気持ちが分かるなあ。
しかし半世紀も生きてて、
生き様や心持ちなどの内面が表れるのなら、
そこまでひどいものでもないと思うんだがなあ。
それは最終的に人様の印象だから、
自分では判断を下せない。
そういやすごく若い頃、友人が自分の顔を嫌がっていて、
どこが嫌かを聞くと、
それは私から見たらむしろチャームポイントだったので、ひどく驚いたものだ。
時は経ち、彼女が嫌がっていたポイントは、
今の若い子たちがわざわざメイクで作り出す部分となっている。
ほらあ、私の言った通りでしょ
とドヤ顔で言ったら、彼女はまだ納得していなかった。
そうなんだよね、
自分が納得するかどうかなんだよね。
だとするなら、己のブサイクさ加減に納得できようはずもない。
どうしよう、むやみに摩擦を与えると今度はシミが増えるというし、
対処を誤ると、ブサイクなままお金が飛ぶだけだ。
よーく考えよ〜、お顔も大事だよ〜♫
不意打ちに凹まない程度に自覚も必要だな。