綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

ミクロを知ってマクロを思う

少々大げさなタイトルは、視点の話。

経済でもビジネスでも医療でもなく。

 

ひっそりと、あるダニが絶滅していた

という新聞記事を読んだ。

トキウモウダニ。

カタカナだと分かりづらいが、

朱鷺の羽毛にいるダニの名前だ。

悪いものではなく、羽毛の掃除をするダニで、

いわば共生関係だ。

このダニが、実は日本の朱鷺にしかおらず、

最後の1羽のキンが死んだ時、同じく絶えた。

今、日本にいる朱鷺は中国から譲ってもらい繁殖したものだが、

その体にいるダニは、すべて別種のダニだった。

他の鳥にはいなかったから、

わざわざ名前に トキ と入ったであろうダニ。

見つけた人もすごいけど、

その絶滅を確かめたのもすごいな。

どこがすごいって、

ダニまで視点が届くところが。

 

地球の歴史の中で、

絶滅種なんて数え切れるはずもなくて。

植物界では未だに新種が見つかっているし。

世代交代の早い動植物では、

遺伝子が環境に適応しようと変異して、

形になってくるのもきっと早い。

世代交代が遅くても、

例えばアフリカ・ケニアでは、

暑過ぎて、たてがみが短くなったライオンの雄が出てきている。

新たに生まれる種があれば、絶える種もあるだろう。

だからといって、見過ごしていいのではない。

たった1種の絶滅が、

生態系にどんな影響を及ぼすのか、

掴み切れていないからだ。

 

こんな些細に思えることが、

実は後々大きな影響を

思わぬ方向から引き起こすかもしれない。

バタフライ・エフェクトの行く末まで

誰が計算できるだろう?

人にできるのは、

謙虚な気持ちで自然を知ろうとすることではないか

と、この記事で思った。

 

余談だが、バタフライ・エフェクト

かそけき蝶のはばたき

て言うけど、やつら存外速いよね。

海を渡っちゃうのもいるし、

全然力強いんですけど。

誰が言い出したんだこの言葉。