タイトルは、食中毒予防の標語。
最近、食中毒のニュースが目立つ。
もともと年間通して秋が一番多いらしい。
気温が下がる秋は、作る方も気が緩んで、
対策をおろそかにしがち。
でもそれ以前に、
これまで営業してきてて、保健所の食品衛生管理者登録講習会を受けてるなら、その対応はないよね?
と思うことばっかり。
まさか講習会、寝てませんよね?
出席すれば管理者の資格もらえるからって。
欠品は悪だから、これくらい大丈夫だろう
って出しちゃうから、そんなことになるのだ。
例えば欠品することで、何かのお金を払わなきゃいけない契約であっても、
食中毒の事故起こしたら、営業停止とイメージダウンと被害者への賠償金で、
もっと大変な事になるのに。
全国的な被害となった駅弁と、フェス出店の無添加マフィンは、
製造数が完全にキャパオーバーだったわけだが、
作って管理できる数は身の丈を超えちゃいかんね。
もっともマフィンに関しては、食品衛生法に則っていたかどうかも怪しいようだけど。
近頃わりとよく聞くようになった食中毒原因菌に、
それぞれ増えやすい食べ物があって、
セレウス菌は、米飯系の調理食品とパスタで、
ウェルシュ菌は、代表的なのはカレーやシチュー。
厄介なのは、どちらも芽胞(がほう)を作ること。
芽胞って、いわば鎧(よろい)。
ほとんどの細菌は、加熱で死ぬ(それも条件あるけど)。
が、この芽胞を持つヤツは普段はむき身で、
周りが少しずつ熱くなっていくと
「やべーこのままじゃ死ぬわ」と、自分をスッポリ包む鎧の芽胞を作る。
これを作られちゃうと、多少の加熱では死なない。
死ななければ、周りの温度が下がった時に芽胞を解いて増えるし、毒素を作る。
どちらの菌もそこらによくいる。
芽胞を作ると、乾燥させようがアルコールなどの薬剤かけようが死なない。
じゃあクマムシみたいに死なないのか、というとそうではなく、
乾燥状態なら180℃以上20分くらいの加熱、
水分があるなら121℃以上20分くらいの加熱で死ぬ。
家庭なら、圧力鍋使えばOK。
だからって、芽胞菌が悪と決めつけるのも早計で、
納豆菌の中にはセレウス菌の仲間がいたりする。
どうせそこらにいるんだから、
相手を知った上での付き合い方の問題かと。
食べ物作ったら、早めに食べればいいし、
置いておいたりお弁当にしたりするなら、手早く冷まして保管温度を18℃以下にして、
カレーやシチューなら、焦げないように混ぜながら常に熱く。冷ますなら早く。
で、ネットニュースに『2日目のカレーはダメ』ってあって、特に常温で放置がダメだとのこと。
そのコメントを読むと、まあ皆さん模範的。
1日で食べ切るとか、食べ切れなかったら小分けにして冷蔵庫で保存しておくとか、2日目まで鍋を放っておかないとか。
私、食品衛生を学んだし、仕事で携わることも多かったけど、
カレー鍋、常温で放置します。
上に 冷ますなら早く と書いときながらナンですが、
下手すると3日。
でも3日目のカレーでお腹壊したことないよ。
真夏は別だよ、そりゃ冷蔵庫に入れるけど、
それはホント夏だけだ。
1日に2回は強火で急速に熱くなる火入れするのと、
あとじゃが芋を具にしないからなのかも。
じゃが芋を入れて作ると、てきめんに傷む。
芋を食べたかったら、レンジで別に蒸して後からお皿に乗せる。カレー鍋には入れない。
そこで思ったんだけど、
じゃが芋って、強火でゆでると煮くずれやすくて、
ゆっくりゆでると煮くずれにくいらしい。
ということは、じゃが芋の煮くずれを気にした加熱だと、
ウェルシュ菌に芽胞を作るチャンスを与えてしまっているんじゃないか?
あと、じゃが芋を入れると傷みやすいのは、
くずれたじゃが芋がカレー全体に散らばると、
その水分を含んだ糖質に、他の細菌が寄り付きやすいのかも。あくまで推測。
そういうのでないなら、これまでは運がよかったのかな。
今日食べたのは2日目のカレーである。
カレー云々より不思議なのが、
キャラ弁。
あんな手が混んで時間もかかるもの、
食中毒事故が起きてないのが不思議だ。
起きてるのかな、でも聞かないな。
だから、よっぽど不衛生にしてなけりゃ、
家庭なら、多少のことは大丈夫だとも思うけどね。
業者はダメよー、法律遵守で頼みます。