急に思い出したり、頭に浮かんだりすることって
脈絡なくて自分が不思議になる。
恥ずかしかったことや後悔しきりなことは
同じことを繰り返さないように、
ため息ついてから気を引き締められる。
が、学校で習ったことが不意に浮かぶと
何なんだ?となる。
そんな時、私が未成年だった頃だと
調べ物なら図書館へ だった。
幸い実家の近くに市立図書館があり、
私は本が好きだったので、
足しげく通ったものだ。
学生時代には2年間アルバイトまでして、
楽しくて仕方がなかったのを覚えている。
時は流れて今ならさしずめ
調べ物ならネット検索。
検索かけて情報が出てくるのは、
その情報をインターネットに上げてくれる人がいるからだ。
ありがたや。
(すごく余談だが、私が10代の時に「近頃の若者は『ありがとうございます』を『ありあとあーした』などと言うのがケシカラン、何と言ってるのか聞き取れん」との批判があったが、『あざーす』に比べるとまだ丁寧だと思ってしまう自分にも、時の流れを感じるものである。)
そして、やにわに頭に浮かんだこと。
まず クエン酸回路。
高校で生物系を履修したなら聞き覚えはあるはず。
この回路を構成する生成物=反応物では、覚えなければならない物質が最低6つあって、先生は
「ク ケ コ フ リ オ と覚えろよー」
と言っていた。
この クケコフリオ の文言が急に浮かんだのだ。
クはクエン酸だとして、他が出てこない。
今度のテストに出たら答えられないどうしよう。
コとフは思い出した。ケもたぶん合ってる。
リとオ、何だー?
そこで検索に至る。
ちなみに、回路の物質数は当時よりも判明したのか10に増えていた。
今の子たちは大変だな。
次に カルビン回路。回路つながり。
これも高校で生物系を履修したなら(以下略)。
カルビン回路ってどこの何?
そこで検索に至る。
答えは、植物の葉緑体の中で行われる光合成の過程の一つ であった。
より正確には、カルビン・ベンソン回路といい、ベンソン・カルビン回路ともいうことがあるが、カルビン回路でも通じる。ただしベンソン回路とは言わないらしい。
名前の由来は、共にこの回路の発見に大きく寄与した研究者だが、ノーベル賞を受賞したのはカルビンだけ。ために発見した回路に単独で名を残しても通じるらしい。
不憫なり、ベンソン。
今は名前が残ってよかったね。
だから、
インターネットというものが当たり前になって、
そこにすぐつながれる手のひらサイズの機械があって、
情報を寄せてくれる人たちがいて、
調べたいことをすぐに調べられるという、
非常に恵まれた環境に、
感謝せずにはいられない のだが、
それにしたって何で私はこんなことを懸命に調べてるんだよ。
今度のテストなんて予定ないよ。