綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

月で暮らせるものだろか

東京・お台場にある日本科学未来館では、本日まで特別展『NEO月でくらす展』を開催していた。

ゴールデンウィークの始まりからだから、会期は4か月以上。

入場料は2,400円と、ちょっと軽く行こうと言えない金額だが、

先日、千葉県市川市の現代産業科学館のプラネタリウムに誘ってくれた同行者が招待券を手に入れ、またもや誘ってくれたので、乗った。

ちなみに、特別展の券で館内の常設展示は見られるが、ドームシアターつまりプラネタリウムは別料金。そしてそれがいくらなのか、サイトを見てもよく分からない。ドームシアターのみの料金案内がなく、常設展か常設展+ドームシアターかの2つだけなのだ。その差額と、シアタープログラムを2本以上見る場合の1本分の料金が同じ310円なので、たぶんその価格かなあ。

見るつもりがなかったので、館内スタッフに聞きもせず、外に出てからそういえばと調べてみたのだが、

分かりにくっ。

 

特別展の入口で、3色のパンフレットのうちどれか1つを選んで持って行けと言われて選んだ。

ミッションシートと書かれており、

赤は月面ワーカー、

緑は月面レポーター、

青は月面科学者で、

それぞれにミッションという名の学びをあてがい、未来の研究に活かそう、とのこと。

シートの裏面には、ミッション達成テストなるものがあり、全5問で回答2択。

私は月面科学者を選んだ。

よーし、頑張るぞ!w

 

中に入ると、まず壁の一面がスクリーンになった黒い仕切り部屋で待てと言われ、ある程度の人数になると、地球から月に向かう映像と字幕が流される。

いつの間にか今は2040年になっており、これから暮らす月面基地へ出発だ、という説明。

映像はさすがだ。NASAJAXAとガッチリタッグだ。だってここの運営は国立研究開発法人。

映像が終わると、黒いカーテンがシャッと開いて、係の人が誘導する。

あとは、基地ゾーンと月面ゾーンをご自由にどうぞ、という具合。

 

ただ、う~ん、大人だから目線がイジワルになってしまう。

子供への、学びと楽しさ面白さの両立を一生懸命考えたのは伝わる。展示品を考えたり作ったり並べたり。やる側の遊び心もなきゃできないと思う。

もちろん知らなくて「へー」と思う説明も、いくつもあった。

だけど、月面コンビニや月面食堂は、先走りすぎないか。

日常の延長、そこかあ。

コンビニには、売り物の体で、実際にISSに持ち込まれた品や、次回搭載予定とか開発中とかの品があって、紹介の仕方が分かりやすかった。

でも少ない。

子供にウケたのはたぶん宇宙ボールペン。逆さまにしてもインクが出るから書けるというもの。

その広告を模したポスターのモデルさん男女どちらにも、ボールペンによる容赦ない鼻血ブーが黒々と書かれていた。

我々の頃からやること変わらんな。

月面食堂はなぜか町中華

月の重力は低いから、チャーハンだってあおるとこんなに米が舞う、という様子を食品サンプルでお馴染みのろう細工で作って吊るしており、その下の中華鍋を持てば映え写真が撮れますスポット。

それが、本来そこテーブル席だよねという所で。

カウンターには、月面産野菜で作ったという設定の炒め物定食などのサンプルが3品ほど並び、メニューは短冊吊るし張り型。店内はやっぱり赤が基調でしょ。

カウンターの中にも入って写真を撮れる。どちらかのお子様がにっこり笑って ヘイお待ち!

楽しそうだね。で、学んでる?

 

どちらも細かいことツッコんだらキリがないので、いちいち書いたりしないけど、言いたいことなら主催には、後から後から溢れ出る♪

あくまで子供向けなんだよな、大人げないか。

 

全体の3分の1は、体験ものだった。

機械をいじって何かの課題に挑戦したり、

VR装具を装着して何か見たり、

月面探査プログラムを体感したり、

別料金で低い重力を体験したり。

そしていずれも長蛇の列。

当然スルー。

重力体験だけは、体重別に装置が3台ある中で、対象者46〜60kg(最も重い)が待ち時間なしだったが。

 

一番長くいたのは月面ラボ。

月の岩石の種類、そこからどうやって資源を取り出すか、月の表面の砂地はどんな感じか。

月探査のこれまでと分かったことをまとめた映像は、6番組全部見た。モニター前で直立不動。

でもここのブースは全体的に流し読みする人が多く、突っ立っててもジャマ扱いされなかった。

えー皆さんこれこそ見ましょうよ、おもしろいよ?

と通り過ぎる人に言いたかった。

本当に言ったら変なヒトだから言えなかったけど。

 

出口は帰還トンネルとされ、宇宙船の窓(の絵)から地球の一部(の写真)が見える。

出発は大掛かりだったが、帰還はずいぶんとあっさり。

その壁に、宇宙飛行士の毛利衛氏(前 日本科学未来館長)と若田光一氏の直筆メッセージ&サインがあった。

それぞれのメッセージに込められた思いは、少し胸に迫るものがあった。

毛利氏のメッセージだけ紹介すると、

「地球まほろば」

もうね、地球という星もそこにいる命も、唯一無二なんだよ。戦争したりミサイル飛ばしたり殺し合いや奪い合いしたりしてる場合じゃないんだよ。月をどんなに開発したって、どんなに科学が進化したって、地球の生き物は地球で生きるように出来てるんだよ。

と私には響いた。拡大解釈かもだけど。

若田氏のメッセージは、一人一人に直接語りかけるよう。

このサインパネルは、特別展が終わったら館内のどこかにぜひ展示していただきたい。

してくださいね日本科学未来館さん。

 

さて、最初に持たされたミッションシートのミッション達成テスト。

Q1 月面にくっきりしたもようがある理由は?

□ 月にウサギがすんでいるから

□ 白と黒の2種類の岩でおおわれているから

同行者「ウサギが住んでいるからに決まってるじゃないねえ。」

まったくだ。