綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

魔改造のトガりよう 2

NHK魔改造の夜』は、

魔改造のトガりよう - 綴ルンです

で書いた、大人による大人げない改造番組。

毎回胸アツ展開なのだが、

昨日の放送内容が、正に奇跡のようだった。

 

競技は『キックスケーター25m綱渡り』。

25mのロープの上をキックスケーターに渡らせ、タイムを競う。

ってムリじゃね?

だって、キックスケーターって地面でも自立しないよ。

そのうえロープはスケーターのタイヤ幅より細く、

魔改造倶楽部顧問の伊集院光氏が触って確かめたら

「ローブ、すごい揺れますよ。もうゆわんゆわんですよ。」

ならすぐ落ちるべ?

走れるの?

 

参戦したのは、

T京工業大学、Oスズ、Pナソニック

Oスズは、京浜工業地帯の町工場だ。

魔改造したキックスケーターのお披露目では、

すべてジャイロを使用していると分かったが、

どう活用するかが異なっていた。

ジャイロはコマの原理で、

回転することで自立する。

って知ってても、キックスケーターにどう組み込むかなんて、素人には想像もつかない。

技術者、すごいな。

 

T工大は、最初の試技でマシンから手を放したら、

マシンが自立せず、傾いて落ちた。

その方が自然だよね、と思うが、

マシンを持って参戦するということは、

あれ、立つはずなんだよね。

立って、しかも揺れるロープを支えなしで走れるはずなんだよね。

本当にできるの?

と思ってたら、次のOスズがやりよった。

迷いなき爆速で、25mを4秒台で走り抜けた。

どわーー!と思わず声も出る。

次のPナソニックも見事な走り。同じく4秒台。

が、わずかにOスズの方が早かった。

第一試技を終えて、10分間の調整タイム。

成功したところはタイムを縮めにかかり、

走れなかったT工大はマシンの確認。

 

そのT工大、第二試技では、

さっき落ちたのがウソのような鮮やかな走りっぷりで、タイムは4秒37。

一回目、失敗して記録なしだもの、泣くよねえ。

他社の技術者ももらい泣きだよ。

ただタイムは、Oスズの第一試技に届かない。

それもごくごくわずかに。

しかし、十分やり切ったと言っていい。

そのOスズの第二試技は、調整が裏目に出てしまい、

走り切ったものの第一試技よりタイムを落としてしまった。

ここで最後のPナソニックが、逆転優勝を狙う。

安定した姿勢で走り抜けるマシン。

明らかに第一試技より早かった。さあ、タイムは。

4秒39。

優勝はOスズに決定。

 

で、これまでわざとOスズのタイムを書かなかったのだが、

改めて並べると

優勝:Oスズ    4秒34

  2位:T京工業大学 4秒37

  3位:Pナソニック 4秒39

コンマ05秒に3団体が収まるほどの大接戦!

こんなことってある?

そして優勝が決まったOスズの皆さんだが、不思議に静かなのだ。

その理由が、

「優勝は嬉しいけれど、みんな頑張ったし、みんなすごいです。」と。

ガッツポーズをしない勝者がここにいた。

安易に『神回』って使うの嫌いだけど、

これはそう言いたくなる。

凄まじく、素晴らしい戦いだった。

今回もありがとう 『魔改造の夜』。