綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

今年は第37回

今年も『東京国際ミネラルフェア』の時期がやってきた。

毎年新宿で開かれている鉱物や化石の展示即売会で、

会期は金曜日から週末をはさんで月曜日までの4日間で、

世界中から出展者がやって来る。

この物価高で入場料も上がったかなと思ったら、

前売り・当日券とも据え置きの1,000円。

えっ、入場料払って石買うの?と思った人もいるでしょうが、

入ってみたら分かります。

博物館級の珍しい石、美しい宝石、様々な化石が

パレードを成すように目の前に繰り広げられる。

お店の人に了解を得れば、手に取ることもできる。

お店の人に了解を得れば、写真も撮れる(私は今回撮らなかったけど)。

石好きには、眼福至極なんである。

入場料を払う価値はそこにある。

希少な石もあれば身近な石もあるし、

原石もあれば、

宝飾品としてすぐに身に着けられるもの、

自分でアクセサリーを作れるような加工をしてあるもの、

芸術品として置物にできる彫刻を施したものなど、

初心者から上級者まで、

それぞれの楽しみを得られるのだ。

 

毎年だいたい最終日に行って、最終日ならではのセールを狙うのだが、

今年は混雑覚悟で日曜日に行ってみた。

すると多いのだ、家族連れが。

乳児はさすがに見かけなかったが、

幼児を2人連れた4人家族が最も多かった。

子連れを非難しているのではない。幼い頃から興味の幅を広げるのはいいことだと思う。

広い会場と人混みに疲れて歩けなくなった子どもを抱っこして歩かれるのが、ちょっと困った。

抱っこして歩く親御さんも疲れると思うよ。

けどね、そのお子さんの足がね、

ブラブラされてぶつかりそうになるし、展示品に当たりそうになるし、ショーケースのガラスを蹴りそうになるし、

正直ジャマだった。

チケット持ってれば、当日に限り再入場できるんだから、

一旦外に出て休んでもいいんじゃないかな、なんて思ったけど、

親御さんが石を見たかったら、そうもいかないか。

他には、1人で来ているらしい男子中学生もチラホラ。女子は見なかったな。

 

円安だから、覚悟はしてた。

石の価格の高さを。

そしてやっぱり、全体的に底が上がってた。

数年前なら4ケタ半ばだったようなものが、

5ケタまで上がってる感じ。

お店や品ぞろえにもよるが、ほとんどがそう。

しかしこればかりは仕方がない。

出展者だって利益がないと。

アメリカからのある出展者に、直球で聞いてみた(そのアメリカ人の出展者は、英語と関西弁のバイリンガルなので日本語で話ができた。ああ英語で話せたらかっこいいのに、必要に迫られてないから憧れたまま30年だ)

「円安の日本に来て、正直利益って出ないんじゃないですか?」

すると、ちゃんと答えてくれた。

「んー、いろんな考え方あるけどね。方法もあるね。円を直接ドルにするんじゃなくて、間にユーロを噛ませるとかね」

為替手数料が掛かっても、ドル円で換えるより利益を圧迫しないんだろう。

ともあれ、利益が薄くても来てくれて感謝である。

 

中には、石以外の品を売る店もある。

買った石を飾る台や、保護も兼ねたプラケース、

書籍やフェアのグッズは全然いい。むしろ助かる。

謎なのは、

アンティークのネクタイピン、蓋付きガラス容器、

ホワイトセージ、パロサント、白檀などのお香の原木、樹脂香、わら灰といった香りや浄化関係、

金属製の護符、三鈷や五鈷杵などの仏具に仏像、

ティンシャ(チベタンベル)、シンギングボウル、ヒーリングチューナーと呼ばれる高音の音叉(水晶を当てて鳴らすので、セット販売も)などの鳴り物。

特に仏具や鳴り物が、昨年より確実に増えていた。

スピリチュアルが濃くなっていく。

さらにスピ系の文言を掲げる店が、かなり堂々としてきた印象。

素朴に疑問に思うこと(スピ系) - 綴ルンです

の最後の方に書いたことを、今年も言いたい。

出展者が言う「レムリアンクリスタル」なんてものと同じ条件の水晶は、私が石を見始めた35年前からあったけど、

当時は誰もそんなこと言ってなかった。

最近になって何なのさ。

スピは好きだけど、そこは本当にいただけない。

どうしても謳いたいなら、

もっと静かに頼みます。

 

小金を持っていった程度じゃ、とても太刀打ちできなかったけど、

それでも目当てのものを探し当てて手に入れることができた。

知らなかった石を知ることもできたし、

今年の収穫はかなりあったと言える。

今度時間を作って、買った樹脂香を焚いてみよう。

いやあ、ものすごく珍しくてつい衝動買い。

石以外の謎の売り物もしっかり楽しみましたわ。