7月某日 ある神社に参拝した。
JR線だと1駅先、私鉄だと3駅先にあるそこへは
参拝の後に寄りたい所があったので、自転車で行った。
境内が広くて、摂末社が敷地内に点在している。
主祭神にお参りした後、
主祭神のきょうだいを祀る摂社に参拝していた時のこと。
その摂社は周りを木で囲まれ、少し薄暗かった。
裏参道の入口が近いが、そちらも木々が茂ってやや暗く、人通りはほとんどない。
といっても、鳥居の外は交通量の多い道路なので、
そこを歩く人や自転車はそれなりにいた。
鳥居のこちら側が別世界のような静けさだ。
さて、お賽銭を納めて手を合わせていると、
私の頭の斜め後ろに「ザスッ」という音がして、
何か重みのあるものが当たった感触がした。
後ろで束ねた髪に当たった感じだ。
どんぐりの時期ではないし、木の葉にしては当たりが重い。
頭上でカァーとカラスの声。
もしや。
恐る恐る触ってみると、濡れている。
やられたー!フンだー!
幸い、裏参道用の手水舎がすぐそこにあったので、
手を洗いながら髪を確認。
自分で見ることができないので、
ウエットティッシュで髪を拭きながら付いた汚れの色を見る。
ひたすら拭うしかない。
そして気になるのは服だ。
人通りが少ないのをいいことに、手水舎の裏で思い切って着ていたTシャツを脱ぎ、キャミソール姿になった。
こういう時、年を取って良かったと思う。若かったら恥ずかしくて脱げやしない。今だから、羞恥心と、服の汚れが分からぬまま放置することとを天秤にかけて、羞恥心を捨て去ることができるのだ。私は私であるがゆえにオバサンだぞ。
Tシャツは肩から背中の上側にかけてと裾の辺りがしっかり汚れていた。
手水舎のお水を頂きまくり、ティッシュを大量に使って、7割程度は汚れを落とすことができた。
フンが乾かないうちに汚れを落とせて良かった。
近くに常時水を流す手水舎があったおかげだ。
Tシャツを着直し、ゴミで膨れたバッグを持って、
他の摂末社へお参りに向かった。
そして参拝を終えた私は、ちょっと期待していた。
参拝の後に寄りたい所。それは、
宝くじ売り場。
その日はサマージャンボの発売初日だったのだ。
お日柄もいい。午前中に神頼みした。
何より、神社でウンが付いたではないか!
はやる気持ちをおさえて自転車を駐輪し、
売り場の列にいそいそと並び、
当選確率的にはジャンボよりジャンボミニの方が高いのでミニを買い、
宝くじ売り場が入っている大型スーパーで買い物したい気持ちをぐっとこらえて、
自転車ダッシュでまっすぐ家に帰った。
そして真っ先に宝くじをしまってから
フンで汚れた髪を洗い、服は漬け置き消毒してから洗ったのだった。
さて、巷で言われる「当たる宝くじの保管法」にしっかり則り眠ってもらった宝くじ。
当選結果は。
末等のみだった。
す〜んごい期待したのに。
期待し過ぎで逃げられたのかなあ。
ああ、夢見る時間は楽しかった。
いい夢見たぜ。ありがとよ。
で、気持ちを切り替える。
私は宝くじで夢を買いながら、社会貢献のために寄付をしたんだ。
町中で、宝くじのキャラクター クーちゃんが描かれたものを見かけるたびに思おう。そこに自分が出したお金も使われたかもしれないと。
誰かの役に立ったのだと。
ま、本音は残念っちゃ残念だけどね。
フツーにフン落とされただけだったなあ。