綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

おそれいりやの 1

昨年、方位除の御札を知り合いからもらっていた。

八方塞がりではなかったのだが、

それにしては吉方位がなく凶方位ばかりだったので

気休めになれば、といただいたものだ。

手元に来たのは秋に入った頃で、

年の方位は立春から新たに変わるから、

いわば有効期限は節分までのはず。

が、そうは思っても1年足らず(というか半年もない)で返していいものか確信が持てず、

そのうち知り合いに聞こうと思いながら、立春を過ぎても放置してしまっていた。

聞くのをつい忘れちゃうんだよね。

先日やっと思い出して聞いてみたら、

やはり期限は立春までだからとっくに返していいし、どこか近くの古札納所でもいいという。

 

ではその御札がどこのものかというと、

入谷鬼子母神の御札なのだ。

近くの古札納所に納めるなら、お寺でなくてはならないが、

あいにく近くにお寺がない。

知り合いは、入谷鬼子母神が大好きで、

もう何十年も、何かというと足を運んで拝むほど、頼みにしていた。

別にその近辺の出身の人ではないのだが、

知り合いのお母上が通ってたから、自然と足が向くのだそうだ。

しかし私はこれまで訪れたことがないので、

じゃあお返しがてら参拝しようと、先月訪れた。

 

東京メトロ入谷駅を出て、入谷交差点の周りを見回すと、

いかにも寺院ですという高い建物がすぐ見える。

正式には真源寺といい、

入谷朝顔まつりの開催地とのこと。

敷地に入って右側に、『下谷七福神』の福禄寿も祀られている。

地元民らしき人たちが、やってきては鰐口を3度鳴らして手を合わせ、サッと出ていく。

外国人観光客も1組いたのだが、少し戸惑っていた様子。

分かるよ、私も戸惑ってます。

全体的に閉じられている感じで、どうしていいか分からない。

とりあえずお賽銭を納め、作法を知らないから鰐口を1度だけ鳴らして拝んだ。

で、古札納所が見当らない。

お堂とつながるように、隣に大きな建物があり、

勝手に入っていいものか迷っていたら、

中からお寺の関係者らしき人が出てきて、こちらを伺っていた。

もしかしたら、3度鳴らすのが作法の鰐口を1度しか鳴らさなかったから、不審に思って見に来たのかもしれなかったが、

きっかけができてこれ幸いと、御札を出して話しかけた。

そしたらその人、じゃあこちらでお預かりしますと返納する御札を受け取って、すぐに引っ込もうとするので、

あわてて御札のお礼はどちらに納めればよいかと聞くと、

正面の浄財箱にと、そそくさと答えて消えた。

なーんか・・・何なん?

本堂の扉もピッタリ閉じられてるし、

御朱印やお守りが欲しい人への案内も出てないし、

一見さんには取り付く島もない感じなのだ。

とはいっても、鬼子母神さんのせいではない。

そうしている間に何人も、近所の方たちだろう、やって来ては鰐口を3度鳴らして拝んでサッと出てる。

大切に信仰されているのだろう。

御札のお礼を納めて今度は鰐口を3度鳴らし、

改めてお礼を告げて、真源寺を後にした。

 

で、用事はこれで済んだのだが、

前もって周辺を調べてたら、

近くにもう1か所、訪れたい所があった。

古札納めが思ってたよりあっさり終わったので、

そちらへ向かうことにした。

 

続く