綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

「食と農」だけじゃない

もやしてかもして - 綴ルンです

企画展を見に行った、

東京農業大学「食と農」の博物館。

せっかくだから常設展も見なくちゃね。

まずは1階を歩き回ると、

バイオリウムという温室の入口があった。

そちらへ入る手前に、スナネズミの展示が。

たっぷり過ぎるほどのチップ(木くず)と裁断乾草に埋もれて寝る姿がかわいい。

大きさはゴールデンハムスターくらいだろうか。

キンクマハムスターの方かな。

細長い尻尾の先まで毛が生えてるのも何かいい。

近くの壁には、シーラカンスの模型があったが、

あまりのデカさに一瞬ビビった。

マグロと同じくらいだから、そこまでビビることもないんだけど、

顔が怖いし鱗デカいし妙に不気味だし。

 

それらを眺めてバイオリウムへ。

動物園のニオイがするな、と思ったら、

ケヅメリクガメという大きなカメが、すぐ目の前の床にいて、自分のフンをメッチャ踏み潰していた。

その奥にはキツネザルが数種類。

こちらではレムールと表記されていた。

うち1種はワオキツネザル、のはず。

バイオリウムの中は高温多湿を保ってるようで、

ランの花が咲いていたり、水辺が作られていたり。

けど、目立ったのは何種類もの多肉植物

葉が花のように広がるもの、ゴツゴツと岩のようなもの、うねるもの、色も緑、紫、灰色など、

姿形がこんなに多様だとは知らなかった。

もちろんサボテンもあった。それも大きいのが。

入場無料、予約不要だからか、

小さな子どもを連れて遊びに来ている家族も何組か見かけた。

 

バイオリウムを出て、

日本の農業の発展に欠かせなかったリンの説明と、

世界のリン鉱石の展示をザックリ眺めて、

階段を上り2階へ。

するとまあ、ニワトリの剥製標本がいっぱい!

原種の赤色野鶏は はずせないにしても、

肉や卵を取るための品種、観賞用の尾長鶏、美しい鳴き声の東天紅 他、闘鶏のための軍鶏も複数種、飼いやすく鑑賞もできる様々な羽色の矮鶏(チャボ)。

よくこれほど集めたなあ。

烏骨鶏もいた。

それで、外に巨大なニワトリ像なのか。

世界最大級の軍鶏とか、生きて目の前にいたら絶対怖い。あの太くて鋭い蹴爪に引っ掛けられようものなら、きっと血が噴き出して止まらんわ。

などと想像して1人で身震い。

何たって 爆走!妄想族★ なもんで。

それと、世界中のニワトリグッズコレクションのコーナーもあった。

集めた人、よっぽどニワトリ好きなんだな。

 

農大卒生がいる蔵元の日本酒瓶の壁展示を軽く見て

日本の酒器コーナーへ。

もはや骨董品の域だ。

年代、地域、素材、海外への輸出向けなど、

見事な工芸品の数々。

その時代に描かれた絵の展示もいくつかあった。

また酒器コーナーの一角に、

昔ながらの日本酒の作り方を和紙人形で再現したミニチュアが展示されており、

これが稲の収穫から始まって、日本酒を醸して、

祝言の席で皆で楽しむところまで再現してたのだが

人形も稲も道具も酒器もお膳も何もかもが和紙。

細かく丁寧に作られてて、とても素晴らしかった。

 

最奥には古民家の家の中を実寸で復元したものと、

昔の農具の展示。

古民家の土間をニワトリがうろついてたり、

向こう側からタヌキが顔を出していたりと、

ほっこり演出がおもしろかった。

中に入れたらもっといいのにな。

まあ、荒らす人もいるだろうからムリか。

 

上ったのと違う階段を下りたら、バイオリウムの前に出たので、

先ほどは通らなかった産学連携コーナーへ。

研究が実用化された事例をいろいろ見られる。

この中に将来光り輝く原石があったかもしれない。

 

最後に、外の巨大なニワトリ像の説明を読みに行った。

彼(だってトサカがオス)の品種は ナレースワン大王鶏。

タイの軍鶏である。

ナレースワンとはアユタヤ王朝の19代目の王様で(第21代という説明もある)、

ビルマミャンマー)の属国だった自分の国を独立させた人だ。

囚われの身だった幼い頃、ビルマの副王と戦況を占う闘鶏をしたら、ナレースワンのニワトリが勝った。

長じて独立を果たしたことから、闘鶏はナレースワンの象徴となり、

そのため現地では、ナレースワン大王鶏のグッズは縁起物であるらしい。

そうなんだ。色合い的に赤色野鶏かと思ったよ。

私もいいかげんだな。

 

「食と農」は稲作中心だった印象なので、

もう少し農の幅が広がった展示も見てみたいな と

勝手なことを考えながら、博物館を後にした。

とはいえ無料で楽しく過ごせました。

ごっつあんです。