綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

土台と足場

建設関係の話じゃなくて。

基盤と拠点と言い換えられる話。

 

独り立ちしてからも実家には時折帰っていたが、

なぜか今回自宅に戻ってしみじみと感じたのは

実家は半分よその家 ということ。

なんて言ったら家族に嘆かれそうだけど。

 

私が実家を出たのは約30年前。

ドラマなんかでは、よく実家に部屋がそのまま残されてることがあるが、

私は使ってた部屋に自分の荷物を残さなかったし、部屋も実家の家族の都合で別の使い道となった。

だからその時から、帰省しても自分だけの居場所はなくて、それは当然だと思っていた。

その実家は、10数年前に建て替えられた。

確か昭和中期頃の古い木造建築で、修理やリフォームでは追い付けないほどあちこちガタが来ていたからだ。

「ちょっとした地震でもすごく揺れる。地震のたびに潰れないでって祈ってる」

と、建て替え前に家族が言ってた。

結果、建て替えたのは大正解で、その後に東日本大震災があったのだ。

前の家なら全壊していたかもしれない。耐震補強もしてなかったと思うし。

そして建て替えられた実家にも何度も帰省して、

適当な場所で変わらずグダグダ過ごしてた。

くつろいではいたのだ。いたんだけど。

 

今日、帰省を終えて自宅に戻った時に、

体の芯のところで緊張していた自分に気が付いて、

そんな自分にビックリだ。

緊張してた理由が分からない。

実家の人間は全員血縁だし、仲違いしてるわけでもないし、家のルールがあるわけでもないし。

これまでと変わらない帰省だったよ。むしろゆっくりさせてもらえてさ。好きに過ごせてさ。

なのに、自宅に戻って力が抜けたのは、なぜ?

で自分なりに考えて出した理由が、冒頭の一言。

 

建て替えられた実家に、私は住んだことがない。

4泊くらい帰省したことはあるが、それでは住んだとは言えないだろう。

生活を営む足場にしたことがないのだ。

だから家と自分が馴染むことなく(勝手は知ってるが、もっと深い親和性は得られず)、

頭のどこかで「半分よその家」と思っていたようなのだ。

思い当たるのは、夢見。

夢に家が出てくる時は決まって、長く過ごした建て替え前の実家。

今の自宅も相当長く住んでるんだがそれほどは夢に出てこなくて、

覚えてる夢のうち、昔の実家と今の自宅とでは出てくる比率がだいたい 7:3で昔の実家のが多い。

しかし、建て替え後の今の実家は夢に出てこない。

これはたぶん、自分の土台は前の実家だと無意識に思ってるからなのだろう。

ついこないだも夢に昔の実家が出てきたな。

 

これまで長く、意識にも上らなかったことを

何で今気付かされたのかは分からない。

そろそろ今の足場を新たな土台としておけってことなんだろか?

それこそ意識してそうできるものでもないけどな。

まあそのうち分かるでしょ。

そして、半分よその家であっても、

建て替えられても実家は実家なので、これからも折に触れて帰省することに変わりはないんである。