電車に乗っていて感じるのは、
昔より確実に乗り心地が良くなっていること。
運転士の技術も関わってるだろうけど、
それでも発車や停車がスムーズだし、
レールの継ぎ目に付きもののガタンゴトンという振動も、かつてよりずいぶん小さくなった。
ポイントで大きく揺れるのは仕方がないとしても、
全体的に揺れなくなっていると思う。
たぶん、その状態に慣れてしまったんだろう。
快速ですっ飛ばしてる電車がやたらガタガタと揺れながら走っていると、
何ともいえず怖くなる。
そんなに飛ばしてこんなに揺れてて大丈夫なの、
ちょーっと怖いんですけれど、と。
前は怖さを感じなかった。
いつからか探ると、数年前からだ。
これまで、電車の走行中に大きな地震に遭ったことはないし(停車中ならあるけど。
幸い脱線事故に遭ったこともない。
なのに速くて揺れる電車が無性に怖い。
脱線事故で思い出すのは、
報じる映像が衝撃的で、言葉を失った。
そういえば父は「先頭車両には乗るな」と言っていた(乗っちゃうけど)。
事故が起きた時のダメージが一番大きいからと。
こういうことか、と思わされた。
その後もいろんなことがあって、長らく忘れていたのに、
どうやら数年前、普段乗らない路線の快速電車に乗ったのがキッカケで、思い出したようだ。
とても速くて、ひどく揺れた。
きっといつも利用している人にはいつものことなのだろうが、
非いつも利用者である私には、恐怖しかなかった。
その路線に乗ったのはその時だけだが、
思い出した恐怖は、他の路線にも適用されて
今に至る。
恐怖は、行動を決める大きな要素だ。
生き物は生存するために己を防衛するからだ。
だから、ネガティブな事柄はポジティブな事柄より強い感情を引き起こすし、記憶に残りやすい。
ネガティブ1に対して、ポジティブ3〜4で同等。
ドラえもんのひみつ道具に『ラッキーガン』ってあったけど、あれも弾4発のうち、ラッキー3発 アンラッキー1発だったな。
だからなのか、自分自身で恐れを生んで、行動を縛ることもある。
これ以上嫌な思いをしないように。
なぜなら、生存は本能だから。
生き抜くために、恐れの感情は不可欠で、
行動を縛ることが、自分を守ることになることもあるから。
最悪の事態を想定するのは、準備として必要。
だから私はこれからも、速くてひどく揺れる電車を怖く感じるだろうし、無理に安全だと思おうとはしないだろう。
ただ、何かにためらっている時は、
自分が怖がっていることを自覚するようにしよう。
何を怖く感じるのかも。
それと、恐れからは妄想もたやすく生まれるから、
冷静に、とらわれず、しかし侮らない。
簡単じゃないけどね。
時に必要、時に必要悪な感情。
胆力、試されるわあ。