子どもの頃からずっと、秋が好きだと思っていた。
夏の暑さから解放されるし、
文化祭や体育祭なんかのイベントが多いし、
実りや収穫で好きな食べ物も多いし。
何十年もそうだったのに、
それが違うかも、と思い始めたのは、
いつ頃からだったろう。
文化祭や体育祭に縁がなくなって相当経っても、
秋が好きだったはずなんだけど。
でも気持ちの浮き方が明らかに、
秋より春の方が大きいと気付いたのだ。
思えば、秋が変わったかも。
いつまでもやたら暑くて、残暑と言うには残り過ぎだし、
そのくせ日がガシガシ短くなって、気が焦るし、
(外が暗くなると、なぜか「早く家に帰らなきゃ」という焦燥感に襲われる。かつて夜を待って飲み歩いてた時代も過ごしたのに、何で子ども返りしたみたいになってるのか分からない)
蚊がちっとも減らないし。
夏のイヤなところを残したまま、秋の好きじゃないところを感じるようになってしまった。
去年だって、秋の良い日和は確かにあったのに。
じゃあ春はというと、
まず花々が咲き出すのを見付けるのが楽しい。
草の花も木の花も。
芽吹きの若い緑はかわいいし、
日が延びてくるのが嬉しいし、
蚊も活発になる前だ。
時折冷える日があったり、全体的に天気が荒れ気味なのが困るけど。
それでも、春の方が心が躍る。
今日などは、昨日の嵐から一転。
多少の強い風が残ってたし、近付いてる台風は明後日が最接近だと予報が出てるが、
薫風の季節らしい爽やかな日和だった。
夕方、自転車で走っていると、
暑くもなく寒くもなく心地よくて、
来月夏至だもんな、日が延びたなーと感じながら、
明るいうちに動けることにホッとした。
道端の花のリレーは、ツツジが終わり頃で一段落。
今は花壇のバラが咲いてて、そろそろ紫陽花かな。
そうか、私は秋好きから春好きになってたのか。
私も私もー!なんて勝手に親近感持ってたけど、
もう私もじゃないじゃんね。
紫外線の浴び過ぎにさえ気を付ければ、
この時期の過ごしやすさは実にいいよねえ。
なんて考えながら自転車を走らせてたら、
道の真ん中に突如現れる羽虫の群れに突っ込んで
わっぷぷとなった。
そうだ、この時期は羽虫がワンワン群れるんだ。
ヤツら目にも鼻にも飛び込んできて、
服にもあちこち張り付いて、まったくバカにできない厄介さ。
どういう条件で群れ場所決まるんだろう。
春は確かに好きだけど、
荒れる天気の他に、この羽虫と、カラスが繁殖のためにゴミを散らかしたり人を攻撃したりするのも困りものだった。
手放しで何もかもを喜べる季節はないね。
それでも今は春好きだ。
夏、もうちょっと来るの待って。