綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

その時期だから作るもの

暑い時には冷えたもの、

寒い時には温かいものを食べたくなるのは、

ごく自然なこと。

旬のものを食べるのも、

ごく自然なこと。

そういった中で、とりわけ

「時期が来たからこれを作っておかなくちゃ」と思うものが2品ある。

なお、レシピの詳しい説明はありません。

悪しからず。

 

1品目。

これは、夏になったと感じたら少なくとも1度は作ろうと決めている。

 

ホテルオークララタトゥイユ

 

レシピ通りに作ったら、

そのおいしさにビックリした。

調味料は、煮込む前に加える塩コショウだけ。

手順は、6種類の野菜を炒めて煮込むだけ。

 

ところが、炒め方があまりやらない方法だった。

鍋にオリーブ油を熱してニンニクを炒め、香りを出す。これはセオリー。その次だ。

まず玉ねぎを入れて、2〜3分炒める。

次にナスを入れて、同じ時間炒める。

その後ズッキーニ、パプリカと続いて同じ作業。

野菜を1種類加えるごとに、2〜3分炒めていく。

そういえば、小学校の調理実習で三色野菜炒めを作った時、

固いものから順にフライパンに入れろと習った。

にんじん→ピーマン→玉ねぎの順だったと思う。

それが、これは玉ねぎからだ。

煮込み料理だからかな、カレーも野菜の中では最初に玉ねぎを炒める作り方が多いし、香味野菜だから旨味になるということかな。

その後、固さで言ったらナスよりズッキーニを先に炒めたくなるけど、

たぶんこの炒め順は崩せないんだろう。

最後にトマトを加えるが、トマト缶でもいいのが嬉しい。

ここまで火加減がやや強火でずっと行くので、

炒めている間は焦げ付かないように混ぜ続ける。

塩コショウで味付けしたら、

フタをして弱火で30〜40分。時々混ぜながら煮て、

時間が来たら火を止めて味をなじませる。

すぐには食べられない。

 

レシピを遵守して作ると、

動物性のダシを入れてないのに、トマトと玉ねぎで驚くような旨味を感じる。

キッチリ決まった塩の量が絶妙なのだろう。

ただ、レシピ通りに作ろうとすると、

ナスの分量が普通じゃありえないことになるので、

1度しっかり作ったら、後は味が落ちることになっ

てもやりやすい分量で作っている。

夏野菜のおいしさと恩恵が詰まってて、

大好きな1品だ。

 

(詳しいレシピはレタスクラブさんのサイトに載ってます)

https://www.lettuceclub.net/news/article/151401/

 

夏野菜は色とりどりで鮮やかで、見ていて楽しい。

実野菜が多いのは、体の熱を冷ます作用があるからだ。

逆に冬野菜は根菜が多く、体を温める作用がある。

旬って本当によくできてる。

 

2品目。

これはほぼ毎年、作れたら作る。原価次第。

 

栗の渋皮煮

 

国産の甘栗って何でないんだろうと、ずっと疑問だった。

甘栗にできる中国の栗と和栗とは、品種が異なるから、というのがその答え。

和栗は渋皮が実に張り付いているので、

食べる時は実を多少犠牲にして、渋皮を剥くしかない。

ある時、友人宅へ遊びに行ったら、手作りの渋皮煮を出してくれた。

それがとてもおいしかったのと、渋皮って食べられるんだという衝撃で、自分でも作ってみたくなり、友人にレシピのコピーをもらって帰った。

渋皮ごと食べちゃえば、実をムダにしなくていいじゃん。

 

しかし、作るにあたっては気合が必要だ。

鬼皮剥き、渋皮の渋抜き、砂糖を煮含めるだけの調理工程は、最低でも2日間かかる。

一度に1kg単位で作るので、鬼皮剥きだけで手が痛くなるし、指先が茶色くなる。

おまけに、全工程を通して渋皮を傷付けてはいけない。

中の栗の実が、グズグズになって崩れてしまうからだ。

渋抜きの工程で最低3度は茹でこぼすのだが、その間に渋皮はかなり柔らかくなる。

ちょっと乱暴にしたら、すぐに破れたり崩れたりする。

丁寧に丁寧に、栗を扱わなくてはならない。

そして私は、こういう単純作業がけっこう好きだ。

急かされなければ。

単純作業も仕事化すると時間との闘いになるので、それではツラくなってしまう。

気合はいるけど、自分のペースでテレテレとやってる分には楽しい。

 

友人からもらったレシピのコピーは、

煮含めの最後のところが欠けていて、

仕上げに何をするのか分からない。

探してもまったく同じレシピは見つからず、

他のレシピでは途中のやり方がいくつか違っていたりして、うまく応用できない。

そこで、自分で思い付く限りのあらゆる仕上げを試みた。

結論として、何をしても大方出来上がっているから違いが分からない、つまり仕上げなくても問題ない、と落ち着いた。

唯一、甘い煮汁を煮詰めてシロップにしようとしたのは失敗だった。

渋を完全に抜くことはできないので、食べて不快にならない程度に抜くのだが、砂糖を煮含めている間にも、残った渋が煮汁に溶け出している。

煮汁を煮詰めると、渋も一緒に煮詰まるので、舌が痺れる渋甘いシロップができてしまったのだ。

あれだけは、もうやらない。

 

ラタトゥイユはまた来年、の時期になった。

栗の渋皮煮は、今年も作れるだろうか。

猛暑で実の出来具合がどんなもんだろう。

食の恒例行事、できたらいいな。