綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

当たり前ではなかった粒々

先日、初めてコイン精米機を利用した。

玄米10kg頂いたからだ。

ホームセンターの敷地の一角にある小屋に、

コイン精米機はあった。

今時こんなの使う人がいるのか、と思っていたが、

その日は休日とあって、私が到着した時には使っている人も待っている人もいた。

料金は10kg100円。

5kg未満だと精米できないと注意書き。

重さの細かい設定はできないらしい。

精米の段階はいくつか選べて、

白くなる順に、上白・標準・8分づき・5分づき・3分づき。

精米中の人は、上白ランプが点いていた。

やり方をガン見して事前学習。

次の人も、上白を選択。

待っている間にも、2組ほどがやって来た。

こんなに使う人いるんだ。

そりゃ、新米の時期だけど、

玄米を手に入れる人って結構いるもんなんだな。

私もか。

 

次の人はご夫婦のようで、

主に男性が精米機の操作をしてたから、

見ていた女性に、精米段階は上白の方がいいものなのかを聞いてみた。

「うちも最初は標準でやったんだけど、炊き上がりがちょっとくすんでるのね。上白だと真っ白で美味しそうなの。その分削るから、栄養的には劣るでしょうけどね、それから上白で。」

なるほど、そういうことか。

じゃあ私は標準でいいや。

 

さて私の番。

案内通りに料金を入れ、玄米を投入し、精米段階を選択。

クォンと機械が鳴り、ゴーと音を立てて精米が始まる。

お米の出口の下には台があり、そこに玄米が入っていた紙袋を乗せて出口にかぶせる。

しかし、どうも出口すべてを覆うことができない。

ムリにやろうとすると、袋が破けてしまう。

ヤな予感。でも他に袋はないし、仕方がない。

ややあって、精米されたお米が出てきた。

やみくもに出口から出てくるのではなく、

お米が出口の上の部屋で留まるようになっていて、

足元のペダルを踏むと、出口を塞ぐ所が開いて、砂時計の砂のようにお米が落ちてくる仕組み。

恐る恐るペダルを踏むと、

紙袋にザアザアバチバチとお米が落ちてる音。

お、大丈夫そうじゃない?

調子に乗って踏んでいたら、

お米部屋にはお米がいるのに、ピタリと落ちてこなくなった。

ペダルを離して袋を確認。

おわあテッペンまでいっぱいだ。

でもって、袋の下がたるんでる。

後から考えればこの時、袋の下にある台をどかして床に直置きにすればよかったのだが、そこまで頭が回らなかった。

袋の下を伸ばし加減にするが、袋の長さと出口までの高さが合わない。袋を伸ばしきれない。

しかし、待っている人がいるので悠長にしていられない。

どうにかお米部屋のお米を落とし切り、

出口から紙袋をはずすと、

ザーッ。

紙袋の縁が伸びてなくて、その上に乗ってしまっていたお米が、袋をはずした途端床に散らばった。

あちゃー、やっぱりうまくいかなかったか。

半合分は落としたな、1合もいってないと思うけど。

 

台の上に残ってたお米を集めて袋に入れて、終了。

外に出ると、最後の失敗を見ていた人が

「10kgの米やるなら20kg入るくらいの袋を持ってくるといいよ。ビニールでいいんだよ。最初はあれ俺もやったよ。」

と、次回の助言となぐさめをくれた。

ベテランさんですね。ありがとうございます。

次回があるのか未定ですが、あったら生かします。

 

で、そのお米を今食べているのだが、

炊き上がりの色は気にならない。

それより、傷や欠けや黒い部分があるお米がそこそこ混ざっている。

自然のものだから、そういうお米もあるのは当然。

そうなると、お店で売ってるお米の美しさは何なんだ?

黒い点が入ったお米なんてほぼ見ない。

割れや欠けも少ない。粒がそろって美しい。

どんな選別をしてるんだろう?

 

思えばコーヒー豆(粉)もそうだ。

コーヒーの豆粒をミルで挽くと、必ず皮が混じる。

この皮を除かずドリップすると、コーヒーにえぐ味や雑味が出ると山岡士郎が言っていた(出典:『美味しんぼ』原作 雁屋哲/作画 花咲アキラ)。

大きい皮は息で吹き飛ばせるが、細かく砕かれた皮は一緒にドリップするしかない。

ところが、始めから挽かれているコーヒーの粉を買うと、皮はすべて取り除かれている。

一体どうやって?

 

自分でやると、

そこにあるから当たり前だと思っていたものが

当たり前ではなかったと知らされる。

感謝できることが、また増えた。

それにしても、お米の選別とコーヒー豆の皮除き、

本当にどうやってるんだろう?