綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

未知ってワクワク

先月、とある工学系の学校の文化祭を訪れた。

コロナ禍のせいで一般公開は4年ぶり。

工学の知識にはとんと疎いので、

何を見せてもらえるのか楽しみにしていた。

 

中庭には食べ物屋のテントがズラリ。

さすがお財布に優しいお値段。学校だからな。

屋外だから容赦なく、焼き鳥と牛串の煙が立ち込める。服に匂いがつきそうだ。

案内のパンフレットと首っ引きで、

隅から隅まで校内をまわってやろうと、

鼻息も荒く いざ。

 

最初に体験したのは、レジンの小物作り。

レジンとは樹脂のことだ。

手工芸で使う場合、主剤と硬化剤の2液を混ぜるエポキシレジンと、紫外線で固まるUVレジンがある。

ここで使ったのはUVレジン。

本来は、パソコンでネームプレートに彫りたい文字をデザインして、レーザーで彫り込み、そこに色付けしたレジンを流し込んで、オリジナルのネームプレートの出来上がり、という工程。

受付の生徒に、レジンはやってみたいけど、あまり時間が掛かるのは〜 と話したら、

「レジンだけでもできますよ」

と、柔軟な対応をしてもらえたので、

お礼を言って作業場所に行ったら、同じようにレジンのみ希望の参加者がすでにいた。

作りたい小物の形のシリコン型を決めて、シリコンカップにレジン液と着色剤を入れて混ぜ、型にレジン液を流したら、UVライトを当てる箱型の装置に5分ほど入れて、固まったらゆっくりと型から外して出来上がり。

他にくっつけたり乗せたりしたいパーツがある時は、レジンで着けて固めれば、透明なので見た目もきれいに仕上がる。

私が作ったのは、薄くて青い時計の小物。

レジン、いつかやってみたいと思ってたんだよね。

ここで願いが叶うと思わなかった。ひゃほう。

指導してくれた生徒にお礼を言って、

再び校内を巡る。

 

片っ端から見て回ったので、

工学に関係ない生物部や文芸同好会、ピアノ同好会、書道の会、写真部、化学部もあったし、クラスの出し物では射的、サバゲー、縁日、早押しクイズ等もあった。体育館では吹奏楽部にバンドも。

けど、やっぱり専門的なものを見たい。

 

なるほどと思ったのはデザイン工学の発表。研究と実用が結びつきやすい。

色の見え方が人によって異なる、という特殊ゴーグルもあった。そこまで進んでるんだ。

 

それから、アスキーアートならぬ関数アート。

座標上に、様々な関数グラフを部分的に入力し、つなぎ合わせて全体像を描く。

キャンバスが座標なので、y軸やx軸を中心にした線対称な関数なら簡単らしい。単純な二次関数とか。

何となく想像はつく。

そこで、説明してくれた生徒に「これまで作った中での最高傑作ってありますか?」と聞いたら、

すんげー細かい日本地図が出てきた!!

場所を区切って沖縄まで!

一体何種類の関数が使われているんだ!?

もう、すごいの連発しかできない。

とはいえ「実は手描きの方が早いって思ったりしませんでした?」と意地悪く突っ込むと、

「はは、ありました。」と正直な答え。

いや、でも素晴らしいよ君。本当に。

いいものを見せていただきました。ありがとう。

 

それから、何台もの旋盤などの工作機械が並ぶ実習棟で機械油の匂いを嗅ぎ、

コンクリートの破壊実験をするための大型機械はフェラーリと同じくらいの値段だと聞き、

別棟では、1秒間に100万枚のコマが撮れるカメラだけど照明器具の性能が足りないために10万枚足らずしか撮れませんという前置きのもとで、ポップコーンが弾ける様子を生で撮影して、破裂する瞬間を超スローモーションで再生するのを見て、

(1秒間に対する感覚がもはやケタ違い。10万枚しか、しか って!)

アルミ製の鋳型の作り方が想像の逆なのを知った。

(アルミ板を凹ませるのではなく、作りたい形をプログラムした特殊な機械でアルミ板を上から細かく叩くと、板の真ん中からだんだん盛り上がってくる様子を、めっちゃ早回しのビデオで見た。失敗作も見せてくれた)

 

あと、これもやってみたかった。

クラッチを使ったプログラミング。

今は小学生から授業でプログラミングを学ぶが、

クラッチは子どもでも分かりやすいビジュアルプログラミング言語で、

画面上のカテゴリ別にコマンドのブロックがあるので、それをつなぎ合わせたり指定名を加えたりすることで、プログラムを作ることができる。

何となく分かるが、体験できるならしたかった。

作るのは、流れてくるハードルを猫に跳び越えさせるゲーム。スペースキーを押すと猫が跳ぶ。

生徒が作成したマニュアルを見ながら始めるが、

このマニュアルがとても丁寧。

わざと失敗のつなぎ方を組み込んで、なぜうまくいかないのかというところの説明までしている。

実際に初めてプログラミングに触れる子どものことを考えているのがうかがえる。

が、私はヒネてるので、これじゃダメじゃんと分かった時点でそこをすっ飛ばす。

分かりやすいマニュアルのおかげで、手早く完成。

担当の、巫女のコスプレをした男子生徒にお礼。

で、このスクラッチのゲームを作るために、さらに大元のプログラムがありますよね?

「まあそうですね。」

できればそこまで知りたかったな、とは言わなかったけど、思った。

 

あと、簡単な基盤を作ってみようというのもやりたかったけど、残念ながら時間切れ。

知らないことを、未来を担う専門家たちに教えてもらって、充実した時間だった。

ずっとワクワクし通しの、

帰りは頭が痛かった。

興奮していただけじゃないだろう。

建物の内も外も、敷地中が1日中、

焼き鳥と牛串の煙で燻臭かったんだよなあ。