綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

まめまめしく豆

今日は春の節分。

ってのは、ちょっとひねくれた言い方だね。

節分は、立春の前だと決まってるしね。

ただ本当は、

丑は牛 - 綴ルンです

の土用と同じように、すべての季節にあるものだ。

立夏立秋立冬の前日は、節分だ。

けど特に立春は、旧正月に近いから、他より強く切り替わりを感じる、ということみたい。

ちなみに今年の旧正月は、2月10日の新月の日。

 

土曜日の節分は、しばらくなかったらしい。

どのくらいしばらくかは知らんけど。

で、久しぶりに、氏神様の節分祭に行ってきた。

コロナ禍でやらなかった年もあったはず。

土曜日だし、晴れてるし、混んでるだろなあ。

と、境内の神楽殿の前まで行くと、

思っていたほど混んではいなかった。

 

神社に着いた時は、拝殿で太鼓が鳴っていた。

祭りのスタッフである氏子会の方たちが、お祓いを受けていたようだ。

楽殿の脇では、年男・年女の受付と、福豆1袋100円の頒布もしていた。

楽殿の舞台には、神楽囃子の方たちが楽器を前に座ってて、始まるのを待っていた。

開け放した舞台、絶対寒いだろ。

ちびっこたちはキャアキャア騒ぎながら、手提げ袋を持って最前列へ。

小さい子どもは優先的に前の方にいられるように、

そして大人が入りこまないようにロープで場所が仕切られているのだ。

始まる前こそ人々は適度にバラけているが、

いざ始まったら自然と前に前に詰めて来るからな。

私だってそうだ。

 

神楽囃子が始まって、

面と絢爛な衣装を着けた神様が出てきた。

人々を見渡し、天へ繋げる所作をして、一旦引く。

その次に、赤鬼と青鬼が出てきた。

人が集まってるから、山から下りて取って食ってやる、というドラ声の掛け合いがあり、

お面も専門の所でこしらえたのを代々使っているんだろうと思われる代物で、

顔だけ見ればまあまあ迫力があるのだが、

首から下が簡素な故に、怖さが大幅ダウン。

ちびっこたちも平気そう。

そうだよね、たぶん君たち『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)で、もっと怖くて気味の悪い鬼の数々を見てたよね。

東北のナマハゲのような、お面も大きくて装束も隙がなくて、おまけに手には刃物(の作り物)を持った鬼が迫ってきたら、それは怖いだろうけど、

舞台の上で、ごくごく簡単なパラパラチックな踊りを繰り返すだけの鬼は、怖くなさそうだよね。

 

いつの間にか神様が、舞台の隅に座っていて、

奥から地元の議員が枡を手にドヤドヤ出てきた。

鬼は反対側の隅で踊りを続けている。

神楽囃子も休みなし。

さて、豆まき開始だ。

小袋に入れられた豆が、枡の中からジャンジャン投げられる。

議員たちは手前にいる将来の有権者へのサービスも抜かりない。

というより、後ろにいるであろう現有権者の親たちへのアピールか。

議員とともに市長までいたわ。確かにこの神社は市役所から一番近いな。これも公務か。公務かこれ?

まくのは豆だけじゃない。集まった人たちも、別に豆がほしいんじゃない。

議員が投げ終わると、入れ替わって今度は氏子会や町内会や奉賛者の人たちが、お菓子を投げ始める。

さあ集まった皆さん手を伸ばし、よこせよこせと前に詰め出す。

スナックの小袋は軽いから飛ばない。

スナックじゃなくても、投げてるのが高齢者ばかりだから、遠投力がなくて飛ばない。

さらにちびっこたちへの気遣いで、前の方にばっかり落とされるから、一向に後ろにお菓子がやって来ない。

ポン菓子のにんじんなんて、見た目が大きいばかりで全然飛ばない。

だけどそのうちに、

駄菓子のガムとかラムネとか、個包装のおかきとかアーモンドチョコとか、ブラックサンダーとか、コアラのマーチとかパックンチョとか、4本一括りのうまい棒とか、ブタメンとか、

そういう重さのあるものが、ようやく後ろに届いてきた。でもわずかだ。

知ってる人は早く来て、ちびっこ区域のすぐ後ろに陣取って待ち構えてるんだよな。

ただなあ、そこまでしてタダでお菓子を欲しいかというと、ちょっと冷め気味。

大人になったのか、老いたのか。

で気合が足りなかったのか、1つもゲットならず。

 

謎のまき手も出てきたけど、どうやら年男年女の皆さんだったらしい。

最後に宮司さんと神職さん(禰宜さん?)が、豆と一緒にメモ付きの5円玉をまいた。

5円玉のメモには「破魔矢」と「熊手」の2種類が書かれており、取れた人はそれぞれの物と交換できるという。

それはほしかったけど、やっぱり後ろまで投げられて来なかった。

豆まきがすべて終わると、舞台の隅に座っていた神様が立ち上がり、

赤鬼と青鬼を懲らしめて、鬼たちは平伏。終了。

拍手の後、散り散りになる人々。

参拝する人、帰る人、戦利品を自慢し合う人。

和やかな光景だ。よきかな。

私は福豆を買って帰った。

 

その福豆で、今夜は自宅の豆まきをして、

豆を食べた。

ベランダから始めて、一部屋1粒か2粒。

最後に玄関。

邪気を祓うったって、まくのは食べ物だから、いつもためらう。

だから、まく粒数が自然とケチになる。

家の豆まきが終わったら、年の数だけ豆を食べる。

しかし煎り大豆は喉に詰まりそうだから、

5粒で勘弁してください。

代わりに納豆食べたから。

明日は立春。春と一緒に福よ来い。

今はまだ名のみの春で寒いな、

本番の春の前でもいつでもどうぞ。お越しやす福。