綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

桜の町 桜の宮

時期を狙ったわけではないのだが、

今年のソメイヨシノは咲くのが遅かったから、

たまたまちょうどよいことになった。

東急田園都市線桜新町という駅の近くに、

桜神宮という神社があり、

そちらへお参りをしてきた。

 

元々は別件でその近くを訪れることになり、

(別件についてはまた後日)

行く前に、周辺に神社はあるかな、と調べてみた。

そしたら桜神宮が出てきたのだ。

最寄り駅の名も桜新町で、時期も桜の満開だ。

桜尽くしで行かずしてどうするよ、と、

別件に一緒に行った友人を誘って行ってみた。

 

近付くと、道沿いに行列ができている。

最初は隣接している幼稚園の入園式でもあったのかと思った。

が、行列の先頭は鳥居の奥のようだ。何これ?

お参りに並んでいるの?

ふと、昨年末に訪れた穴八幡宮の行列を思い出し、

年の瀬の神社行脚 3 - 綴ルンです

列に並ばず鳥居をくぐると、

案の定、参道の方は参拝者が自由に行き来しているのを見て、行列の理由が分かった。

御朱印待ちだわ。

 

ならば、お参りに直行だ と、

手水舎で清め、拝殿前へ。

こちらも少し並んだが、御朱印の列に比べれば全然すぐだ。

このお宮は、ご祭神がたくさんいらっしゃる。

書き切れないので、詳しくは桜神宮さんのホームページを見ていただきたい。

古式神道 桜神宮

参拝は、ニ礼四拍手一礼。

拍手を4回するのは、他に出雲大社宇佐神宮新潟県彌彦神社がある。

桜神宮は古式神道に則っており、ご祭神に伊勢神宮の神様もおわすので、

てっきり伊勢神宮の参拝も四拍手かと思ったが、

調べてみると、一般の参拝者はニ礼二拍手一礼でよいとのことだった。

社殿を見上げたところにある彫刻がいずれも見事で

鳳凰の背に老人姿のどなたかが乗られてる珍しい彫刻や、

猛々しくも繊細な彫りの龍、

鳳凰と龍の間に、2人の人の姿が彫られていたりと、

(人ではなく神様なのかな?彫刻の説明がほしかったな〜)

できることなら眺め倒したかったのだが、

他の参拝者のジャマになること必至のため、あきらめた。

お宮の名前に桜とあるだけあって、

屋根の所々に桜の花の意匠が施されている。

 

ご挨拶の後は、拝殿前のベンチに座って、

友人とおしゃべりしながら過ごした。

さほど寒くなく、薄日も差してきて心地よい。

目の前の御朱印の列は進んではいるものの、

鳥居の外まで続いて途切れる様子はなかった。

場所柄なのか、デートスポットなのか、

若くてオシャレな人やカップルが多い印象。

レースの着物なんてハイカラな装いの女子もいた。

ベンチの斜め後ろは、四角く整えられた広場で、

広場の奥に白い祠が見えた。

が、この広場で白い作務衣の人たちが何やら作業をしていて、近付けない。

見ていると、四隅に細い竹を立て、縄で繋いで結界を張っている。

作務衣の人たちは、長靴を履いて広場と社務所を行ったり来たりと忙しそうだったり、

食塩と書かれた大きな袋を運んでいたりで、

何の準備をしているのか気になって、聞いてみた。

「明日、火渡りの神事があるのでその準備です。」

サイトによると、この広場は屋外神事斎場とあり、

境内の催事案内板ではその神事は九日とあったが、

サイトでは確かに7日の催行と書かれていた。

こんな街中で、火渡りやるんだ。できるんだ。

火渡神事御朱印というのもあるとのこと。

コレクターにはたまらんな。

てか御朱印って、本来コレクションするものじゃないんだけどな。

スタンプラリー チックになってきてないか。

しかし、神社やお寺にはそれも大事な収入源。

Win Winなら まあいっか。

 

人が多いし、背後は翌日の準備中だしで、思いのほか気が削がれたが、

改めて見回すと、銅板屋根の大きな灯籠が、満開の桜を背に美しく佇んでいて、そこだけ静かだった。

また来ることがあったら、もう少し落ち着いた時にお参りしたいな

と思いながら境内から退出したら、

御朱印の列はほとんど変わらぬ長さのまま、鳥居の外に延びていた。