綴ルンです

思ったことを綴っただけさ

炎天下の成田山詣り 4

炎天下の成田山詣り 1 - 綴ルンです

炎天下の成田山詣り 2 - 綴ルンです

炎天下の成田山詣り 3 - 綴ルンです

おそらく一番の見所と思われる

平和の大塔。

様々な展示物があり、写経もでき、

塔の内外いっぱいに、信仰をいろんな形で表しているのだろう。

が、私はここを素通りした。

境内の最奥だ。

暑さに火照った体も冷やせるし、

痛くなってきた足を休ませることもできるし、

せっかくここまで来たのに、なぜ。

なぜかというと、

単純に時間がなかったからだ。

入っちゃったらきっとおもしろくって、

隅から隅まで舐めるように見尽くさないと気が済まないだろう。

そして出る頃には日が暮れてしまう。

ということを3秒で判断し、

大本堂方面へ歩を進めた。

 

次に見えた醫王殿は建って間もないらしく、

新しい木の香りが漂う。

おわすのは薬師如来、脇侍の日光菩薩月光菩薩

その次には奥の院があるはず、と歩くも、

それらしきお堂も祠も見当たらず、

奉納された額絵が外壁中に掛けられたお堂の裏手に少しの空間と日陰があったので、

そこで一休み。

目の前には石壁と背の低い両開きの木の扉と、その両脇に大きく梵字の彫られた石。

おや、案内板があった。

えっ、ここが奥の院

奥の院って洞窟だったんだ!

しかも7月の祇園祭の3日間にしか入れない。

入口は道に面してるでもなく、

案内板はあっても飾り気もなく閑散としてるから、

境内を歩く人々が気にも留めず通り過ぎるわけだ。

洞窟から冷気がただよって来そうだし、少しは涼しいかしら、としばらくいたが、

特に涼しくならなかったので、隣のお堂へ。

 

隣のお堂は光明堂といって、

出入口はお堂の右側で、履物を脱いで上がるのだが、

お堂の正面に『星供養』の説明があり、まずそちらに目がいった。

これ、まんま占いじゃん。

生まれ年によって9つの星に区分され、

毎年運勢が変わるから、

その年の吉凶を司る星をお祀りして幸福を祈る、と。

何年生まれは何星だという一覧表と、

今年の何星はこんな運勢だという内容を、

惜しげもなく無料公開。

ひょっとして、本屋の占いコーナーに並ぶ何とか星占術とか、何学占いとか、元はこれか?

自分の星の運勢をふーんと読んで、

光明堂の中に上がった。

 

お堂の中は護摩祈祷のススでかなり黒くて、

天井は雲らしき絵が描かれている輪郭はうっすら分かるものの、全体像までは判別できない。

小ぢんまりとした堂内を順路に従って進むと、

左の不動明王、中央の大日如来、右の愛染明王

に順番にお参りできる。

前にあるおリンのいくつかは、自由に鳴らしてもよいと許可が出てるが、

大人だから遠慮がちに1叩き。

ああ、幼子みたいに無邪気にリンリン鳴らしてえ。

たしなめられたら、だって自由に鳴らしていいって書いてあるじゃん、と口をとがらせて言ってみてえ。

 

と、しょうもない妄想をして、

光明堂から下がった。

 

続く